第7話
ネイビー・ブルー
東海岸のアレンジャー
チャーリー・カレロ

★始まりはフォー・シーズンズ

チャーリー・カレロはフォー・シーズンズの前身のフォー・ラバーズでベースと編曲を担当していました。フォー・シーズンズと名前を変え、レコードデビューする前に脱退しました。もっとも交流は続いていたようで、メジャーデビュー3作目で、1963年1月発売の全米1位の「恋のハリキリ・ボーイ Walk Like A Man」からアレンジを担当するようになりました。

♪Walk Like A Man - The Four Seasons

(日本盤シングルのジャケット)

フォー・シーズンズは「悲しき朝やけ」からスタイルを変えましたが、アレンジは引き続きチャーリーでした。続く「ロニー」もアレンジはチャーリーです。

♪Ronnie - The Four Seasons

(日本盤シングルのジャケット)

★ボブ・クルーと組んで

フォー・シーズンズはメンバーもプロデューサーのボブ・クルーも、チャーリーと同じで、ニューヨーク市に隣接したニュー・ジャージー州の出身でした。
その関係で、ボブ・クルーがプロデュースした多数の作品のアレンジを担当しました。

ダイアン・リネイの「ネイビー・ブルー」1963年12月に発売され、全米6位を獲得しました。

♪Navy Blue - Diane Renay

(日本盤シングルのジャケット)

アメリカではクラッシックのメロディーを借りてヒット曲ができることがよくありましたが、1965年8月に発売され全米2位になったトーイズの「ラバーズ・コンチェルト」もバッハの音楽帳に載っていたメヌエットを元にしています。

♪A Lover's Concerto - The Toys

(日本盤シングルのジャケット)

♪A Lover's Concerto (LIVE)
- The Toys' Barbara Harris


トーイズの「ラバーズ・コンチェルト」はボブ・クルーの所有するマイナーレーベルからの発売であったため、日本では契約切れのためやがて入手不可能になりました。代わって、原曲とは似ても似つかないアレンジのサラヴォーン盤だけが聴かれるようになりました。

★様々なアレンジ

チャーリー・カレロの実力を遺憾なく発揮したのが、1969年に発売され、全米4位になったニール・ダイアモンドの「スイート・キャロライン」ではないでしょうか。チャーリーのアレンジがヒットに大きく貢献していると思われます。エルビス・プレスリーもニールと同じアレンジで盛んにステージで歌っていました。

♪Sweet Caroline - Neil Diamond

(日本盤シングルのジャケット)

★山下達郎をプロデュース

時は下るが、1976年にチャーリーはニューヨークで山下達郎の初ソロアルバム「Circus Town」の片面のプロデュースとアレンジを担当しました。
この時、チャーリーに「すきなアーティストは?」と尋ねられた山下は「バディー・ソルツマンとハル・ブレイン」と答えたそうです。するとチャーリーは「彼等はもう時代遅れだ」と一蹴したそうです。ショックを受けた山下は、その後の音楽性が変わったと言われています。


(「Circus Town」のジャケット)



(チャーリー・カレロ)