第1話
アイ・ウィル・フォロー・ヒム
作曲はフランク・プウルセルと
ポール・モーリア
(別名、ラブ・ユー・ラブ・ユー・ラブ・ユー)



★最初のタイトルは"Chariot"
しかもインスト曲

最初にレコードが発売されたのはフランスで、1961年のことでした。タイトルは"Chariot"。フランス語読みは”シャリオ”、英語では”チャリオット”。古代ギリシャ等で用いられた2輪の馬車戦車の意味。

最初にレコード化したのは、既にフランスで人気があったフランク・プウルセル・オーケストラ。4曲入りのEP盤と
LP盤の1曲として発売されました。当時のフランスでは2曲入りのいわゆるシングル盤より、に4曲入りのEP盤の方が一般的でした。

♪chariot - Franck Pourcel

(フランス盤4曲入りのEPのジャケット)

作曲は2人のアメリカ人、J.W. Stole、Del Romaとクレジットされていましたが、ずっと後に、実際の作曲者はフランク・プウルセルとポール・モーリアであると明かされました。アメリカ人名義の方がヒットしやすいと考えたとのことです。ポール・モーリアは一時期フランク・プウルセル・オーケストラのピアノ奏者をしていたこともあり、1965年にポール・モーリア・グランド・オーケストラとして独立するまで、フランク・プウルセルと密接な協力関係にありました。

★歌詞が付けられる。

イギリス人でありながら、フランスでも活躍していたペトゥラ・クラークのフランス語歌詞のボーカル盤が、1962年7月にシングルと4曲入りEPで発売され、フランスでの2位を初め、ヨーロッパで大ヒットしました。イタリア語バージョンのタイトルは"Sul mio carro (Chariot)", ドイツ語盤は "Cheerio"でした。

♪chariot - Petula Clark

(フランス盤EPのジャケット)

日本でもカバーバージョンが発売されました。「愛のシャリオ」と言う邦題はこの時に付けられたようです。なお、原語タイトルから見て、イタリア語バージョンのカバーと推測されます。


(ボニー井田よる日本盤シングルのジャケット)

ポール・モーリアはその頃、自分の名を冠したオーケストラは持っていませんでしたが、Les Satellites名義でレコードを製作していて、フランス語歌詞のボーカル盤"chariot"を発表しました。

♪chariot - Les Satellites direction Paul Mauriat

(フランス盤EPのジャケット)

★英語の歌詞が付けられる。

ペトゥラ・クラークの本国イギリスでは、英語の新しい歌詞が付けられ、元の歌詞とは関係なく"I Will Follow Him"のタイトルで1963年1月に、遅れて4月にフランス語盤"chariot"が発売されましたヒットには至りませんでした。

♪I Will Follow Him - Petula Clark

(イギリス盤シングルのレーベル)

★ぺギー・マーチで大ブレイク

アメリカでは、当時まだ15才のぺギー・マーチがこの"I Will Follow Him"を1963年1月22日にリトル・ぺギー・マーチ名義で発売し、チャート誌上最年少で1位を獲得し、日本ほか全世界でヒットしました。邦題は「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」でした。

♪I Will Follow Him - Little Peggy March

(アメリカ盤EPのジャケット)

この曲は歌詞の内容からして女性が歌う歌ですが、同年、当時人気男性歌手だったリック・ネルソンが、タイトルを"I Will Follow You"に変えてカバーし、日本ではシングル盤で発売されました。なお、発売当初は「君の云うように」と言う邦題でしたが、後に「ラブ・ユー ラブ・ユー ラブ・ユー」に変更されました。

♪I Will Follow You - Rick Nelson

(日本盤シングルのジャケット)

★日本ではパーシー・フェイス

もちろん日本でもボーカル盤ではぺギー・マーチがヒットしましたが、インストではパーシー・フェイスが定番でした。ただし、タイトルから見て、ぺギー・マーチではなくリック・ネルソン盤のカバーのようです。

♪I Will Follow You - Percy Faith

(日本盤シングルのジャケット)

★1992年
「天使にラブ・ソングを」
で再ブレイク

♪I Will Follow Him - from SISTER ACT